自己破産をすると、クレジットカードは二度と作れないのだろうか。手続きの最中も、免責が下りたあとも、私はずっとそれが気がかりでした。
結論から書くと、私の場合は自己破産から約1年半後にメルカードの審査に通りました。この記事では、そこに至るまでに何があったか、その間どう支払いをしていたかを、自分の経験として書きます。
ただし先に断っておきます。審査に通るかどうかは個別の事情によって大きく変わります。この記事は「こうすれば通る」という手引きではありません。ひとつの実例として読んでください。手続きそのものについては、必ず弁護士や司法書士に相談してください。
自己破産後にクレジットカードは作れるのか|結論
私のケースでは、免責が下りてから約1年半後に、メルカード(メルカリが発行するクレジットカード)の審査に通りました。
それまでの間は1枚も作れていません。申し込んで落ちたというより、通らないだろうと思って申し込まなかった、というのが正直なところです。
なぜメルカードだったのか、どんな支払い手段でしのいでいたのかは後述します。まず、そこに至る経緯から書きます。
自己破産に至るまで
不妊治療と、子どもの入院が重なった
もともとは会社員をしながら、副業でブログを書いて収入を補っていました。ただ不妊治療が長引くうち、そのストレスからブログは放置気味になり、副収入は目減りしていきます。
治療を始めて3年目に娘が生まれました。ただ生まれつき体が弱く、退院してからも感染症にかかりやすく、入退院を繰り返す日々が続きました。
その間、私は仕事が手につかなくなり、副業もまったくできなくなりました。病院と家を行き来する生活が4歳になるまで続きます。
不妊治療でもともと貯金が減っていたところに、治療費と、働けない期間が重なりました。
生活費をリボ払いで補い、800万円になった
足りない生活費は、手持ちのクレジットカード4枚のリボ払いでしのいでいました。楽天カード、PayPayカード、ビューカード、みずほのカードです。
気づいたときには、借入の合計は800万円になっていました。
金額がここまで膨らんだ理由のひとつは、限度額の大きさだったと思っています。カードはいずれも、以前に上場企業に勤めていたころに作ったものでした。当時の属性で審査を通っているので、限度額が大きく設定されていたのです。
借りられてしまう枠があると、そこまで使ってしまう。限度額が小さければ、もっと早い段階で行き詰まって、もっと早く相談に行けたのかもしれません。
弁護士に相談してから免責が下りるまで約1年
相談したその日に「自己破産しかない」と言われた
返済が滞り始め、もう無理だと思ったところで、ようやく弁護士事務所に相談に行きました。2022年から2023年にかけての出来事です。
相談先はインターネットで調べて、家の近くの事務所にしました。決め手になったのは、やり取りが基本的にLINEでできること、自宅に書類を送らないなど家族に知られないための配慮が明記されていたことでした。家族には相談していなかったので、そこは切実な条件でした。
行ってみると、その日のうちに「自己破産しかない」と言われました。任意整理という選択肢もあると聞いてはいましたが、私の状況では対象にならなかったということです。そのまま手続きを開始しました。
受任通知のあと、督促と電話は止まった
弁護士が受任通知を出したあと、カード会社からの督促や電話は来なくなりました。ここは想像していたとおりでした。
この静けさは、正直なところ手続きの中でいちばん救われた部分でした。それまでは着信があるたびに身構えていたので。
いちばん大変だったのは勤務先からの書類集め
想定していなかったのは、書類を揃える作業の重さでした。
2年分のすべての銀行口座の明細、証券口座や暗号資産の取引明細、退職金の計算に関する書類など、必要なものが多岐にわたります。特に勤務先から取り寄せる書類(退職金規定など)は、事情を説明せずに依頼するのが難しく、時間がかかりました。
この書類集めだけで半年近くかかっています。相談から免責の許可が出るまで、通算でほぼ1年でした。
なお、担当弁護士からは「楽天からの連絡が遅い」という話を聞いています。カード会社によって対応の速さに差があるようでした。ただしこれは私のケースで担当者から聞いた話であり、いつもそうだとは限りません。
カードが作れない間、何で支払っていたか
デビットカードとチャージ型のプリペイド
手続きのあと、日常の支払いはデビットカードと、au PAY のチャージ型カードでまかなっていました。
デビットカードは口座から即時に引き落とされるので、そもそも与信がありません。審査もありません。プリペイド型も同じで、チャージした分しか使えない代わりに、信用情報を見られることがありません。
不便を感じたのは、月額課金のサービスや、クレジットカードしか受け付けない支払いです。ただ、ほとんどの場面ではデビットで用が足りました。
ネットの買い物も問題なくできた
楽天市場での買い物も、支払い方法をデビットカードに変えるだけで、これまでどおり使えています。
楽天カードを自己破産の対象にしたことで、楽天のサービス全般が使えなくなるのではないかと不安でしたが、実際にはそうなりませんでした。この点は別の記事で詳しく書きます。
1年半後、メルカードの審査に通った
免責からおよそ1年半が経ったころ、メルカードの審査に通りました。自己破産のあと、初めて持てたクレジットカードです。
なぜメルカードだったのか
メルカードは、メルカリでの利用実績をもとにした独自の審査基準を採用していると案内されています。一般的なクレジットカードのように、年収や勤続年数だけで判断されるわけではない、という点に可能性を感じました。
メルカードの審査についてはメルカードはブラックリストでも通るのかで詳しくまとめています。ゴールドの申込条件や審査時間についてはメルカードゴールドの審査にまとめました。
ただ、なぜ自分が通ったのかは分かりません。審査基準は公開されていないので、「1年半経ったから」なのか、「メルカリの利用実績があったから」なのか、あるいは別の要因なのか、確かめる方法がないのです。
信用情報は開示請求していない
正直に書くと、私は信用情報の開示請求をしていません。自分の記録がどう書かれているのかを、確認しないまま今に至ります。
調べておいたほうがよかったとは思います。自分の状況を正確に把握できますし、いつごろ記録が消えるのかの目安も分かります。これから手続きをする方には、開示請求をしておくことをすすめます。
信用情報はいつまで残るのか
ここは自分の経験ではなく、信用情報機関が公開している情報として書きます。
クレジットカードの審査で参照される信用情報機関は、主にCIC・JICC・KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つです。このうちCICについては、公式サイトに保有期間が明記されています。
| 情報の種類 | 保有期間 |
|---|---|
| クレジット情報 | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
| 申込情報 | 照会日より6ヶ月間 |
| 利用記録 | 利用日より6ヶ月間 |
破産に関する記録は独立した項目としてではなく、クレジット情報の中の「異動(延滞・保証履行・破産)」として扱われています。つまりCICでは、契約終了後5年以内という枠組みに含まれることになります。
一方、JICCとKSCについては、公式サイトで登録期間の記載を見つけることができませんでした。解説記事では「JICCは5年、KSCの官報情報は7年」といった説明をよく見かけますが、私が公式の記載として確認できたのはCICだけです。正確な期間は、各機関に直接確認するのが確実です。
出典: CIC「信用情報の保有期間」(2026年8月時点)
カード以外への影響|賃貸契約はどうだったか
カード以外で影響が出るのではないかと不安だったのが、引っ越しのときの賃貸契約でした。保証会社の審査で、信用情報を見られるケースがあると聞いていたからです。
結果としては審査に通りました。ただし、家賃を高望みはしませんでした。給料の3分の1に完全に収まる範囲の物件しか選んでいません。審査に落ちるリスクを避けるための選択です。
審査会社によっては契約できないかもしれない、という不安は最後まで消えませんでした。実際にどの保証会社がどう判断するかは、こちらからは分かりません。
いま振り返って|もっと早く相談すべきだった
4社分の履歴が残った
後悔していることをひとつ挙げるなら、相談に行くのが遅すぎたことです。
私は4枚のカードすべてが返済不能になってから相談に行きました。もっと早い段階、たとえば1社目の返済が苦しくなった時点で相談していれば、残る履歴も1社分で済んだかもしれません。
限度額の大きなカードを4枚も持っていたことが、傷を広げる結果になりました。
弁護士は「選べるうちに」相談する
もうひとつ、同じ状況の人に伝えたいことがあります。
弁護士事務所の多くは無料相談を受け付けています。相談したからといって、その場で手続きを始めなければならないわけではありません。自分がいまどういう状況にあるのかを確認するだけでも意味があります。
私が相談に行ったのは、返済日が迫って滞納する直前でした。切羽詰まっていたので、ほかの事務所を回る余裕がなく、1人目の弁護士にそのままお願いしています。結果的に良い方だったので助かりましたが、これは運が良かっただけです。
自分で調べるより、弁護士のほうが圧倒的に知識があります。馬が合う人を選べるうちに、早めに相談に行くほうがいいと思います。
これは勧められない、と思うこと
家から遠い事務所を選ぶことは、あまり勧めません。書類のやり取りが何度も発生するので、近いほうが何かと楽です。私は近所の事務所を選んで正解でした。
よくある質問
自己破産をすると、クレジットカードは何年作れませんか?
一律に何年とは言えません。CICの公式情報では、クレジット情報(破産を含む異動)の保有期間は契約終了後5年以内とされています。ただし審査の基準はカード会社ごとに異なり、公開されていません。私の場合は約1年半でメルカードに通りましたが、これはひとつの例です。
手続き中にクレジットカードは使えますか?
私は受任通知の時点で使えなくなりました。手続き中の扱いについては、依頼した弁護士や司法書士の指示に従ってください。
カードが作れない間はどうすればいいですか?
私はデビットカードとチャージ型のプリペイドカードを使っていました。どちらも与信審査がないため、信用情報の状態に関係なく持てます。ネットの買い物や日常の支払いは、ほとんどこれで足りました。
信用情報は自分で確認できますか?
できます。CIC・JICC・KSCそれぞれに開示請求の窓口があります。私は請求していませんが、自分の記録を把握しておくほうがよかったと思っています。
家族に知られずに手続きできますか?
私の場合は、やり取りをLINEで行い、自宅に書類を送らない対応をしてくれる事務所を選びました。ただし、どこまで配慮してもらえるかは事務所によって異なります。相談の段階で確認してください。
まとめ
自己破産をしてからクレジットカードを持てるようになるまで、私の場合は約1年半でした。その間はデビットカードとチャージ型のプリペイドカードで生活し、賃貸契約も家賃を抑えることで通りました。
いちばん伝えたいのは、相談に行くのが遅かったという後悔です。4枚すべてが行き詰まってからでは、残る記録も4社分になります。弁護士の無料相談は、状況を確認するだけでも使えます。
最後にもう一度書きます。審査に通るかどうかも、手続きの選択肢も、個別の事情によって大きく変わります。この記事はひとつの実例にすぎません。返済に行き詰まっているなら、まず弁護士や司法書士に相談してください。
本記事の情報は2026年8月時点のものです。信用情報の保有期間や各社の審査基準は変更される場合があります。