はじめに：副業でペットシッター、本当に実現できる？
「動物が好き」「空いた時間で収入を得たい」そんな思いから、副業でペットシッターを始めてみたいと考えていませんか？
ペット市場の拡大に伴い、ペットシッターの需要は年々高まっています。しかし、未経験からでも本当に稼げるのか、どんな準備が必要なのか、不安な点も多いでしょう。
ペットシッターという仕事の魅力と需要の高まり
飼い主の旅行や出張、急な体調不良時などに、自宅を訪問してペットの世話を代行するのがペットシッターの仕事です。ペットホテルと違い、ペットが住み慣れた環境でストレスなく過ごせるため、近年非常に人気が高まっています。動物好きにとっては、たくさんの可愛いペットと触れ合える、やりがいのある魅力的な仕事です。
本記事では、ペットシッターの仕事内容からリアルな収入事情、未経験から始めるための具体的な5ステップまで、網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたも自信を持ってペットシッターへの第一歩を踏み出せるはずです。
そもそもペットシッターってどんな仕事？具体的な内容を紹介
ペットシッターの仕事は、単にペットにご飯をあげるだけではありません。飼い主が安心してペットを任せられるよう、きめ細やかなサービスが求められます。
基本的な業務：食事の世話、トイレの掃除、散歩、遊び相手
中心となる業務は、飼い主から指示された内容に沿ったペットのお世話です。具体的には、ご飯や水の交換、トイレの清掃、犬の場合はお散歩、猫や小動物の場合は室内での遊び相手などが含まれます。ペットの健康状態を注意深く観察することも重要な仕事の一つです。
報告業務の重要性：日誌や写真付きレポートの作成
飼い主が最も安心するのは、離れている間のペットの様子がわかることです。そのため、シッティング中のペットの様子（食事量、排泄の有無、元気に遊んでいる姿など）を写真や動画付きで報告することが非常に喜ばれます。信頼を得てリピーターになってもらうための鍵となります。
対象となるペットの種類
最も多いのは犬や猫ですが、ウサギ、ハムスター、フェレットといった小動物や、鳥類、爬虫類のシッティングを依頼されることもあります。自分の知識や経験に応じて、対応可能な動物をプロフィールに明記しておくと良いでしょう。
【副業のリアル】ペットシッターの収入はどのくらい？
副業として考える上で、最も気になるのが収入面でしょう。ここでは、ペットシッターのリアルな金銭事情について解説します。
時給・日給の相場
地域や依頼内容によって異なりますが、ペットシッターの報酬は時給換算で1,200円～2,500円程度が相場です。1回あたり1時間程度のシッティングが多く、散歩代行や複数匹の世話などのオプションで料金が加算されることもあります。
副業で稼げる月収の現実的な目安
本業の合間や週末を中心に活動する場合、月収2万円～5万円程度が現実的な目標となります。もちろん、連休や年末年始などの繁忙期に集中して依頼を受けたり、リピーターが増えたりすることで、これ以上の収入を目指すことも可能です。
収入が変動する要因と収入アップのコツ
収入は、活動エリアの需要、自身の経験やスキル、そして繫忙期かどうかによって大きく変動します。収入をアップさせるには、プロフィールを充実させて自分の強みをアピールし、丁寧な報告でリピート依頼に繋げることが重要です。
副業でペットシッターを始める4つのメリット
ペットシッターには、収入面以外にも多くの魅力があります。
メリット1：動物と触れ合える最高の癒やし
何よりも「動物が好き」という人にとって、仕事そのものが癒やしや喜びに繋がります。様々な種類のペットと出会い、信頼関係を築いていく過程は、他には代えがたいやりがいです。
メリット2：スキマ時間を有効活用できる
1回のシッティングは1時間程度が多く、自分のスケジュールに合わせて仕事を受けやすいのが特徴です。「平日夜の1時間だけ」「週末の午前中だけ」といった働き方が可能で、本業や家事との両立がしやすい副業と言えます。
メリット3：運動不足の解消にも繋がる
特に犬の散歩代行は、適度な運動になります。「運動したいけれど、なかなか続かない」という人にとって、楽しみながら健康維持ができる一石二鳥のメリットです。
メリット4：初期投資が少なく始めやすい
特別な設備や高価な機材は必要ありません。基本的な衛生用品やペット用品を揃える程度で始められるため、初期投資をほとんどかけずにスタートできるのも大きな魅力です。
始める前に知っておきたい3つのデメリットと注意点
魅力的な仕事である一方、命を預かる仕事ならではの厳しい側面も理解しておく必要があります。
デメリット1：命を預かるという重い責任
ペットシッターは、飼い主にとって家族同然の大切なペットの命を預かる仕事です。常に細心の注意を払い、安全を最優先に行動しなければならないという、精神的なプレッシャーが伴います。
デメリット2：予期せぬトラブルのリスク
シッティング中にペットが突然体調を崩したり、家具を壊してしまったり、犬の散歩中に他の犬と喧嘩になったりと、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。緊急時に冷静に対応できる判断力が求められます。
デメリット3：収入が不安定になりがち
依頼は飼い主のスケジュールに左右されるため、月々の収入が不安定になりがちです。特に始めたばかりの頃は、依頼が全く入らない月もあるかもしれません。安定した収入源としてではなく、「プラスアルファの収入」と考えるのが賢明です。
注意点：ペット保険・賠償責任保険への加入は必須
万が一の事故に備え、ペットシッター向けの賠償責任保険への加入は必須です。対人・対物事故はもちろん、預かったペットに怪我をさせてしまった場合の治療費などをカバーしてくれます。マッチングサイトによっては、サイト側で保険に加入している場合もありますので、登録時に必ず確認しましょう。
【5ステップで解説】未経験から副業ペットシッターになる方法
「やってみたい」と思ったら、早速行動に移しましょう。未経験からでも、以下のステップを踏めば着実にペットシッターデビューができます。
ステップ1：自分に適性があるかチェックする
動物好きなのは大前提ですが、それ以外にも「時間やルールを厳守できるか」「責任感が強いか」「緊急時に冷静に対応できるか」など、自分に適性があるかを見つめ直しましょう。
ステップ2：必要な知識を学び、資格取得を検討する
ペットの正しい世話の仕方、動物関連の法律、応急処置などの知識を本やインターネットで学びましょう。必須ではありませんが、この後の章で紹介する資格を取得すると、知識が深まると同時に飼い主からの信頼も得やすくなります。
ステップ3：働き方を決める（マッチングサイト or 個人事業）
副業として手軽に始めるなら、集客や面倒な手続きを代行してくれる「ペットシッター・マッチングサイト」への登録が断然おすすめです。個人で開業する場合は、集客から契約、料金回収まですべて自分で行う必要があります。
ステップ4：マッチングサイトに登録してプロフィールを作成する
利用するサイトを決めたら、登録手続きに進みます。飼い主が最も重視するのがプロフィールです。これまでのペット飼育経験、保有資格、対応可能なペットの種類、自身の人柄が伝わる自己PRなどを、具体的かつ丁寧に記載しましょう。
ステップ5：仕事に必要な道具を準備する
衛生管理のための消毒用品、ペットの様子を記録するメモ帳、万が一に備える応急処置セットなど、基本的な仕事道具を揃えましょう。飼い主との連絡用に、スマートフォンの充電器やモバイルバッテリーも必需品です。
ペットシッターに資格は必要？あると有利な資格3選
ペットシッターになるために、法律上必須とされている資格は現在のところありません。しかし、資格は知識とスキルの証明であり、飼い主からの信頼に直結します。
結論：資格は必須ではないが、信頼の証になる
無資格・未経験でもペットシッターになることは可能ですが、飼い主の立場で考えれば、有資格者の方が安心して依頼しやすいのは事実です。副業として本格的に活動したいなら、資格取得を検討する価値は十分にあります。
おすすめ資格1：愛玩動物飼養管理士
内閣府所管の公益社団法人が認定する歴史ある資格です。動物関係法令やペットのしつけ、栄養学、繁殖など幅広い知識を体系的に学ぶことができ、社会的な信頼性も高いです。
おすすめ資格2：ペットシッター士
NPO法人が認定する、ペットシッターに特化した民間資格です。シッター業務に必要な実践的な知識やスキルを学ぶことができます。
おすすめ資格3：認定ペットシッター
一般社団法人が認定する資格で、こちらも実務に即したカリキュラムが特徴です。オンラインで学べる講座も多く、働きながらの取得を目指しやすいでしょう。
資格以外に求められるスキル
資格以上に大切なのが、ペットの些細な変化に気づける「観察力」、飼い主と円滑にやりとりする「コミュニケーション能力」、そして何よりも「誠実さ」です。
【重要】動物取扱業の登録は必要？
ペットに関わる仕事をする上で、「動物取扱業」の登録について正しく理解しておく必要があります。
保管を伴う場合（自宅預かり）は登録が必須
ペットを自分の自宅に連れて帰り、預かって世話をする「保管」業務を行う場合は、「第一種動物取扱業」の登録が法律で義務付けられています。これには、事業所ごとに常勤の動物取扱責任者を置くなどの厳しい要件があります。
訪問型の場合は原則不要なケースが多い
一方、飼い主の自宅に訪問して世話をするだけであれば、多くの場合、この登録は不要とされています。ただし、自治体によっては独自の条例や見解があるため、活動を始める前に必ずお住まいの地域の動物愛護センターなどに確認することをおすすめします。
まずはマッチングサイト経由で始めるのが安心
こうした法的な問題をクリアするためにも、まずはマッチングサイトに登録し、「訪問型」のシッターから始めるのが最も安全で手軽な方法です。
副業で始めるならここ！おすすめのペットシッター・マッチングサイト
信頼できるマッチングサイトを選ぶことが、副業成功への近道です。サイト選びで失敗しないためのポイントと、具体的なサービスを紹介します。
サイト選びの3つのポイント
以下の3点を必ずチェックしましょう。
- 手数料の体系：報酬から差し引かれるシステム利用料がどのくらいかを確認します。
- 保険制度の有無：万が一の事故に備えた賠償責任保険が用意されているか、補償内容は十分かをチェックします。
- サポート体制：登録時やトラブル発生時に、運営事務局がしっかりサポートしてくれる体制が整っているかを確認します。
主要なサービス紹介
国内には複数の優れたペットシッター・マッチングサイトが存在します。ここでは代表的なサービスをいくつかご紹介します。
- Cosewa（コセワ）：ペットシッターに特化した比較的新しいマッチングアプリです。「動物取扱業登録の有無」を明確に区別して表示する仕組みがあり、飼い主が安心して依頼できる透明性の高さが魅力です。アプリが直感的で使いやすく、これから始める初心者にもおすすめです。
- Dog Huggy（ドッグハギー）：犬専門のサービスで、特に「お泊まり」や「ショートステイ」に強いのが特徴です。シッター（ドッグホスト）になるには事前面談が必要など、審査がしっかりしているため、質の高いサービス提供が求められます。
- くらしのマーケット：ペットシッターだけでなく、ハウスクリーニングなど暮らしに関する400種類以上のサービスを比較・予約できる大手プラットフォームです。利用者が多いため集客面で有利ですが、ペット専門ではないため、プロフィールなどで専門性をしっかりアピールする必要があります。
- ANYTIMES（エニタイムズ）：ご近所さんとスキルをシェアするサービスの一環として、ペットケアの依頼も可能です。手数料が比較的安い傾向にありますが、ペット専門ではないため、トラブル時の対応などは事前にしっかり確認が必要です。
これらのサービスはそれぞれに特徴があります。ご自身のスタイルや対応したいペットの種類に合わせて、最適なプラットフォームを選びましょう。
まとめ：責任感を忘れず、楽しく副業を始めよう
本記事では、副業ペットシッターの仕事内容から収入、具体的な始め方までを網羅的に解説しました。
ペットシッターは、動物好きにとって大きなやりがいと喜びを感じられる素晴らしい副業です。しかし、その根底には「大切な命を預かる」という重い責任があることを決して忘れてはいけません。飼い主との丁寧なコミュニケーションを心がけ、常に安全を第一に行動することが、信頼されるペットシッターへの唯一の道です。
