退職前の有給消化中に副業はアリ?知っておきたい法律・注意点と賢い時間の使い方

https://monokoto-life.com

広告 暮らし

退職前の有給消化中に副業はアリ?知っておきたい法律・注意点と賢い時間の使い方

退職を控え、残りの有給休暇を消化している期間は、心身ともにリフレッシュできる貴重な時間ですよね。一方で、「この期間をただ休むだけで終わらせるのはもったいない」「新しい働き方に向けた準備をしたい」と感じ、副業に興味を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、ちょっと待ってください。「有給消化中に副業って、本当に大丈夫なの?」「会社にバレたらどうなるんだろう?」と、不安な気持ちを抱えている方も少なくないはずです。

この記事では、そんなあなたのモヤモヤを解消し、安心して有給消化期間を過ごせるよう、退職前の有給消化中の副業について、法律的な側面から注意点、そして賢い時間の使い方まで、詳しく解説していきます。

この期間を未来への投資として、有効に活用するためのヒントを一緒に見ていきましょう

💡 この記事の要点

  1. 有給消化中の副業は「原則OK」、ただし就業規則の確認は必須
    • 労働基準法上は問題ありませんが、雇用契約が継続している間は会社の就業規則に縛られます。
    • 秘密保持義務や競業避止義務など、会社への配慮を忘れないことが大切です。
  2. 副業が会社にバレる主な原因と対策を知っておく
    • 住民税の通知や同僚からの情報漏洩が主な原因。
    • 住民税の普通徴収への切り替えなど、事前にできる対策があります。
  3. 有給消化期間は「未来への準備期間」として賢く活用する
    • 新しいスキルの習得や、退職後の仕事につながる副業を選ぶのがおすすめです。
    • 心身のリフレッシュも忘れず、無理のない範囲で進めましょう。

1. 有給消化中の副業は「原則OK」、ただし就業規則の確認は必須

「有給消化中に副業をしてはいけない」と漠然と考えている方もいるかもしれません。しかし、結論から言うと、有給消化中の副業は、原則として法律上問題ありません。

なぜなら、有給休暇は労働者が「休む権利」として与えられているものであり、休暇中の過ごし方について会社が具体的に制限することは難しいからです。労働基準法には、有給休暇中の行動を制限する条文はありません。

ですが、ここで一つ大切なポイントがあります。それは、有給消化中であっても、まだ会社との雇用関係が継続しているという事実です。会社との雇用契約が続いている間は、たとえ休暇中であっても、会社の就業規則や労働契約の内容に従う必要があります。

就業規則の確認は必須中の必須

多くの会社では、就業規則に副業に関する規定を設けています。例えば、以下のような内容です。

  • 副業を原則禁止する
  • 副業を行う場合は会社の許可を得る必要がある
  • 会社に損害を与える可能性のある副業を禁止する

もしあなたの会社の就業規則に「副業禁止」の規定があった場合、有給消化中に副業をすることは、就業規則違反となる可能性があります。

「どうせ辞める会社だし…」と安易に考えるのは少し危険です。就業規則に違反した場合、以下のようなリスクが考えられます。

  • 懲戒処分の可能性: 退職前とはいえ、在籍中の行為であれば懲戒の対象となることもあります。もちろん、退職日が決まっている状況で会社が懲戒処分を強行するケースは稀ですが、可能性としてゼロではありません。
  • 損害賠償請求のリスク: 特に、会社の秘密情報を漏洩したり、競合他社で働いたりして会社に損害を与えた場合、退職後であっても損害賠償を請求される可能性も考えられます。

とはいえ、退職前の有給消化中に、個人のスキルアップや小遣い稼ぎ程度の副業で、会社がそこまで厳しく対応することは稀でしょう。ほとんどの場合、就業規則違反が発覚しても、口頭での注意や訓告に留まることがほとんどです。

重要なのは、会社の就業規則を確認し、リスクを理解した上で判断することです。もし不安であれば、会社の信頼できる人に相談してみるのも一つの手ですが、デリケートな問題なので、自己責任で情報収集を進めるのが無難かもしれません。

会社の「秘密保持義務」と「競業避止義務」にも注意

就業規則以外にも、会社との関係で注意すべき点がいくつかあります。

  1. 秘密保持義務
    • 会社の顧客情報、技術情報、営業ノウハウなど、機密性の高い情報を外部に漏らしてはいけない義務です。これは退職後も続くことが一般的です。副業の内容によっては、意図せず会社の秘密情報を利用してしまう可能性もゼロではありません。
  2. 競業避止義務
    • 会社と競合する事業を行うことを禁止する義務です。特に、会社で培ったノウハウや人脈を直接的に競合他社での副業に活かす場合などは、トラブルの元となる可能性があります。

例えば、あなたがアパレル会社でデザイナーとして働いていたとして、有給消化中に別のブランドでデザインの仕事を請け負う場合、内容によっては「競業避止義務違反」と見なされることもあり得ます。逆に、Webライターとしてまったく別の分野の記事を書く場合は、ほとんど問題にならないでしょう。

ポイントは、「本業と副業の関連性」と「会社への影響度」です。 副業が会社の利益を直接損なったり、信用を失墜させたりするようなものでなければ、深刻な問題になることは少ないでしょう。

2. 副業が会社にバレる主な原因と対策を知っておく

「こっそり副業しよう」と考えている方にとって、一番気になるのは「会社にバレるかどうか」ではないでしょうか。退職前とはいえ、最後の最後まで円満な関係でいたいですよね。ここでは、副業が会社にバレる主な原因と、その対策について解説します。

副業がバレる3つの主な原因

  1. 住民税の金額
    • これが最も一般的な原因です。会社員の場合、通常、住民税は給料から天引きされる「特別徴収」という形で納められます。副業で得た所得が増えると、その分住民税も増えます。会社は毎年、従業員の住民税額を把握しており、いつもより高額な住民税の通知が来ると、「あれ?給料以外の収入があるのかな?」と疑問に思うことがあります。

      手渡しで給料をもらえる個人経営のアルバイトならバレることはないかな?と思うかもしれませんが、手渡しでもバレないということはありません。詳しくは、こちらで解説しています→「個人経営の副業バイトは手渡しがバレない?探し方から税金の注意点まで徹底解説
  2. 同僚や取引先からの情報漏洩
    • いくら注意していても、SNSでの発信や、知人・友人を介して情報が漏れてしまうことがあります。特に、同じ業界内で副業をしている場合、取引先や同僚と鉢合わせしたり、噂が広まったりするリスクは高まります。
  3. SNSでの不用意な発信
    • 副業に関する活動をSNSで報告したり、個人ブログで詳細を公開したりしていると、思わぬところから会社の人に見つかってしまう可能性があります。「まさかバレないだろう」と思っていても、意外なところから情報が伝わることは少なくありません。

会社にバレないための対策

完全に「バレない」と保証することは難しいですが、リスクを最小限に抑えるための対策はあります。

  1. 住民税を「普通徴収」に切り替える
    • これが最も効果的な対策です。副業による所得にかかる住民税を、給料から天引きされる特別徴収ではなく、自分で納付する「普通徴収」に切り替えることで、会社に副業分の住民税額を知られることを防げます。
    • 確定申告の際に、住民税の徴収方法を「普通徴収」にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。
  2. 情報管理を徹底する
    • 副業に関する情報は、身近な人に安易に話さないようにしましょう。特に、会社の同僚や、会社の関係者がいるSNSグループなどでの発信は控えるべきです。
    • SNSで副業に関する発信をする場合は、本名や顔出しを避け、アカウントを分けるなどして、個人を特定されないように工夫しましょう。
  3. 本業に支障を出さない
    • これはバレるバレない以前に、社会人としてのマナーです。有給消化中とはいえ、まだ在籍している会社に迷惑をかけないよう、体調管理や連絡対応など、退職までの業務をきちんとこなしましょう。副業が原因で本業のパフォーマンスが落ちたり、疲れていたりする様子がバレることもあります。
  4. 会社の情報や物品は使わない
    • 副業を行う際に、会社のパソコンや備品、顧客リストなどの情報資産を絶対に利用しないようにしましょう。これは「秘密保持義務」や「競業避止義務」にも関わることであり、深刻なトラブルに発展する可能性があります。

【具体的な事例】Aさんの場合

Aさんは、IT企業で営業職として働いていましたが、退職を控え、有給消化中にWebライティングの副業を始めました。Aさんは「どうせ辞めるから大丈夫だろう」と特に何も対策せず、副業で稼いだお金も確定申告の際に住民税の徴収方法を気にしませんでした。

その結果、翌年度の住民税の通知が会社に届いた際、経理担当者がAさんの住民税額が他の同年代の社員よりも高いことに気づき、上司に報告。「もしかして、Aさん何か副業しているのでは?」と疑われることになりました。幸い、Aさんは間もなく退職する予定だったため大きな問題にはなりませんでしたが、もし退職前でなかったら、懲戒処分を受ける可能性もあったでしょう。

このAさんのケースのように、住民税からの発覚は意外と多いものです。しっかり対策しておけば、不必要な心配を減らすことができます。

3. 有給消化期間は「未来への準備期間」として賢く活用する

有給消化期間は、ただ漠然と過ごしてしまうにはもったいない貴重な時間です。この期間を、あなたの未来を切り開くための「準備期間」として、最大限に活用することを考えてみましょう。

副業選びのポイント:未来につながる視点

有給消化中の副業を選ぶ際には、短期的な収入だけでなく、退職後のキャリアやスキルアップにつながるかどうかという視点を持つことが大切です。

  • 新しいスキルの習得:
    • 例えば、Webデザイン、プログラミング、動画編集、Webライティングなど、今後需要が高まるスキルを習得しながら、実際に案件をこなして経験を積むのは非常に有効です。スクールに通う費用や時間を、副業で得た収入で賄うことも可能です。
  • 退職後の仕事につながる準備:
    • フリーランスとして独立を考えているなら、この期間にポートフォリオを作成したり、実績を積んだり、見込み顧客との関係を築いたりする絶好の機会です。クラウドソーシングサイトなどを活用して、小さな案件から始めてみるのも良いでしょう。
  • 興味のある分野への挑戦:
    • これまで忙しくて手が出せなかった趣味や興味のある分野を、収益化できるか試してみるのも良いでしょう。例えば、ハンドメイド作品の販売、オンライン講師、ブログ運営など、まずは小さく始めてみて、将来性を見極めることができます。

【具体的な事例】Bさんの場合

Bさんは、メーカーで営業職として働いていましたが、将来的に独立してコーチングの仕事をしたいと考えていました。有給消化期間中、Bさんはオンラインでコーチングの資格取得講座を受講しつつ、SNSでモニター募集をかけ、実際に少人数を対象にコーチングセッションを提供し始めました。

有給消化中のため時間的な余裕があり、一つ一つのセッションに丁寧に向き合うことができ、実績と自信を積み重ねることができました。退職後には、この期間に得た経験と実績を活かして、スムーズに独立後のキャリアをスタートさせることができました。

心身のリフレッシュも忘れずに

未来を見据えた準備は大切ですが、有給消化期間は、これまでの疲れを癒し、心身をリフレッシュする期間でもあります。副業に夢中になりすぎて、せっかくの休暇中にストレスをためてしまっては本末転倒です。

  • 無理のない範囲で:
    • 自分の体調や精神状態と相談しながら、無理のない範囲で副業に取り組みましょう。体調が優れない日は潔く休み、心身の回復を優先することも大切です。
  • 趣味やリラックスの時間も確保:
    • 旅行に行く、ゆっくり映画を観る、好きな本を読むなど、副業以外の時間も大切にしてください。新しい環境で働くためのエネルギーを養うためにも、リラックスする時間は不可欠です。
  • 焦らないことが肝心:
    • 「この期間で全てを準備しなければ!」と焦る必要はありません。有給消化期間は、あくまで次のステップへ向かうための「助走期間」です。完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始めていく気持ちでいましょう。

有給消化中の副業は、あなたの未来をより豊かにするための素晴らしい機会となり得ます。正しい知識と心構えをもって、この貴重な時間を最大限に活かしてください。

まとめ:退職前・有休消化中の副業はあなたの未来への大切な一歩

退職前の有給消化中に副業を検討しているあなたの不安や疑問は、少しは解消されたでしょうか。

この記事でお伝えしたかったのは、

  1. 有給消化中の副業は原則として問題ありませんが、会社の就業規則や秘密保持義務、競業避止義務には十分注意し、確認することが大切です。
  2. 副業が会社にバレる主な原因は住民税と情報漏洩です。住民税の普通徴収への切り替えや情報管理の徹底でリスクを減らすことができます。
  3. この期間は、短期的な収入だけでなく、あなたの未来のキャリアやスキルアップにつながる副業を選ぶことが賢明です。心身のリフレッシュも忘れず、無理のない範囲で進めましょう。

有給消化期間は、これまでの頑張りを労い、次のステージへ向かうための大切な移行期間です。ただ休むだけでなく、この時間を活用して新しい知識を得たり、スキルを磨いたり、新しい収入源の可能性を探ったりすることは、あなたの選択肢を広げ、自信へとつながるはずです。

不安な気持ちもあるかもしれませんが、この期間をあなたの未来への投資と考え、前向きに取り組んでみてください。焦らず、あなたのペースで、新しい一歩を踏み出していきましょう。

-暮らし
-