洗濯機を開けたら、衣類と槽の中が透明な粒だらけ。紙おむつを一緒に洗ってしまった状態です。
今まさにその状況の方に、先にいちばん大事なことをお伝えします。
乾燥運転をしないでください。濡れているから乾かそう、と考えるのが自然ですが、これをやると事態が確実に悪化します。
この記事では、洗濯機メーカーが公式に案内している手順をまとめました。あわせて、ネットで広く紹介されている「塩で溶かす方法」について、確認できたことと、できなかったことも書いています。
最後に、我が家がこの事故を一度も起こさずに済んだ理由も書きました。狙ってやっていたことではありませんでした。
最初にやること|乾燥運転をしてはいけない理由
まず乾燥運転を止めてください。すでに始まっているなら止めます。
日立は公式のQ&Aで、はっきりこう書いています。
ポリマーなどを完全に取り除くまで乾燥運転はしないでください。乾燥運転は高温になるため、ポリマーが溶けて衣類や洗濯槽内に付いてしまい、取れにくくなってしまいます
パナソニックも同様に、「乾燥経路がつまり、洗濯機が故障する可能性があります」と案内しています。
衣類が取れにくくなるだけでなく、洗濯機そのものが壊れます。ここが最初の分かれ道です。
メーカーの案内は、こちらで確認できます。
紙おむつを洗濯や乾燥してしまったときの対処方法は(パナソニック)
衣類からポリマーを落とす手順
日立が案内している手順は、次のとおりです。
- 洗濯物を取り出し、はたいたり振ったりして、付着したポリマーをできる限り落とす
- 洗濯機に戻し、水だけですすぎと脱水をする
- 干して乾かす
- 乾いたら、衣類に残っているポリマーを取り除く
ポイントは3番と4番です。
ポリマーは水を含むとジェル状になりますが、乾くと粉状になって落としやすくなります。濡れた状態で必死に取ろうとすると、かえって繊維に押し込むことになります。
いったん干して乾かしてから落とす。これが遠回りに見えて最短です。
パナソニックは、乾く前ならブラシで落とし、乾いた後も残っていればブラシや粘着テープを使う方法を案内しています。
洗濯機側の処理|ドラム式と縦型で違う
衣類が片付いても、洗濯機の中に残っていれば次の洗濯で同じことが起きます。
ドラム式の場合
- ドラム内、ドア・パッキン、ドラムの前面に付いたものを取り除く
- 排水フィルターを確認する
パナソニックは、排水フィルターを外すときはドラム内に水が入っていないことを確認するよう注意しています。水が残ったまま外すと、あふれます。
縦型の場合
- 洗濯・脱水槽とパルセータ(底の回転する羽根)に付いたものを取り除く
- 糸くずフィルターを確認する
共通して行うこと
日立は、槽内に残ったポリマーをキッチンペーパーやウェットティッシュでふき取るよう案内しています。そのうえで、糸くずフィルターの清掃と排水ホース・排水口の確認をし、槽洗浄を3時間コースで運転することを勧めています。
目に見えない粒が排水経路に残ります。ここを飛ばすと、後日また出てきます。
「塩で溶かす」方法は大丈夫なのか
この事故を検索すると、塩を入れて洗うとポリマーが縮んで流れるという方法が数多く出てきます。重曹を使う方法も紹介されています。
実際に試そうか迷う方が多いと思うので、調べた結果を正直に書きます。
確認できたこと
洗濯機メーカーの公式案内には、塩も重曹も出てきません。
日立とパナソニックの公式ページを確認しましたが、どちらも「はたいて落とす」「乾かしてから取る」「ふき取る」「槽洗浄する」という手順だけで完結しています。塩を使う方法は、勧められても否定されてもいません。そもそも言及がありません。
確認できなかったこと
塩を使うと洗濯機が壊れるのかどうかは、分かりませんでした。
家事サービス系のメディアには、「塩分で排水ルートが錆びる」「重曹で小さくなったポリマーが排水口を詰まらせる」という指摘があります。ただしメーカー自身がそう述べている資料は見つかりませんでした。
この記事としての結論
塩を使う理由がありません。
メーカーの手順だけで対処は完結します。わざわざ公式が案内していない方法を、自分の洗濯機で試す必要はないと考えます。
「壊れる」と断定はしません。ただ、確かめられていない方法を選ぶ理由もありません。
乾燥までしてしまった場合
気づかずに乾燥まで回してしまった場合は、上の手順に加えて乾燥フィルターと乾燥経路の確認が必要になります(パナソニックの案内)。
高温でポリマーが溶けて固着している可能性があります。自分で取り切れないと感じたら、無理に分解せずメーカーに相談してください。乾燥経路は自分で開けられる場所ではありません。
次に同じことを起こさないために
正直に書きますが、我が家ではこの事故が一度も起きませんでした。子育ての期間中、一度もです。
特別なことをしていたつもりはなかったのですが、振り返ると理由がひとつありました。
使用済みのおむつを、必ず「おむつが臭わない袋」に入れていたことです。自宅でも、外出先で替えたときでも、どんな場面でも例外なく入れていました。
目的は完全に匂い対策でした。洗濯機のことなど考えたこともありません。
ただ、結果として事故の経路が断たれていたのだと思います。
- 使用済みのおむつが、裸のまま置かれる瞬間がない
- 袋に入れて縛るので、畳んだ服や洗濯物に紛れようがない
- 外出先から持ち帰ったものも、袋のままなので鞄の中で他の物と混ざらない
「洗濯機に入らないように気をつける」という対策では、たぶん防げません。気をつけ続けるのは無理があります。
そうではなく、おむつが単体で存在する時間をなくすと、気をつけなくても混ざらなくなります。防臭袋はそのために毎回使うものなので、習慣として続きます。
匂い対策のためにやっていたことが、結果的に別の事故も防いでいた——というだけの話ですが、すでに袋を使っている方は、それを続けるのがいちばん確実だと思います。
あわせて、一般的には次のような対策も挙げられます。
- 洗濯かごに入れる前に、ポケットと衣類の間を確認する
- 使用済みのおむつを入れる場所を、洗濯かごから離す
- 子どもが自分で服を脱ぐようになったら、脱いだ服を入れる場所を決めておく
紙おむつを洗濯してしまったときのよくある質問
すぐに乾燥機にかけてもいいですか
いけません。日立は「ポリマーなどを完全に取り除くまで乾燥運転はしないでください」と案内しています。高温でポリマーが溶け、衣類にも槽にも固着します。パナソニックは乾燥経路がつまって故障する可能性を挙げています。
もう一度洗い直せば取れますか
水だけですすぎ・脱水をするのは公式の手順に含まれています。ただしそれだけでは取り切れません。干して乾かし、粉状になってから落とす工程が必要です。
洗濯槽は掃除しないとだめですか
してください。日立は槽内のふき取りに加えて、糸くずフィルターの清掃、排水ホースと排水口の確認、槽洗浄の3時間コースを案内しています。
衣類は捨てるしかないですか
そうとは限りません。乾かしてから落とす手順を踏めば、多くは戻ります。ただし乾燥機にかけてしまった後は難しくなります。
塩を使うと早く終わりますか
公式には出てこない方法です。メーカーの手順だけで対処は完結するので、この記事では勧めていません。
まとめ|順番を間違えないことが全て
- 乾燥運転をしない。ここが最大の分かれ道
- はたいて落とす → 水だけですすぎ・脱水 → 干して乾かす → 乾いてから取る
- 洗濯機側はドラム式なら排水フィルター、縦型なら糸くずフィルターを確認する
- 仕上げに槽洗浄を回す
- 塩や重曹はメーカーの案内に出てこない。使う理由がない
- 予防は「気をつける」ではなく、おむつが単体で置かれる時間をなくすほうが続く
焦って乾かそうとすると悪化します。いったん干す、という遠回りがいちばん早い方法でした。
子どもの持ち物の片付けについては、こちらも書いています。